2020年姉妹教会交流会礼拝感想文

今年の姉妹教会交流会礼拝は、2月16日(日)に日本キリスト教団永山教会で行われました。
全体を通して今回の交流会礼拝は主イエス・キリストのうちに一つに結ばれている一体感を感じることができました。とても温かい雰囲気に包まれていたと思います。

小枝功牧師は92年から始まった姉妹教会交流会の歩みが今日まで続いていることに触れ、とても貴重な宝であることを強調されていました。私もこれまで相反していたプロテスタント教会とカトリック教会がこうして一致に向かって歩んでいることの素晴らしさと主イエスにおける一致と交わりのダイナミズムを改めて感じる機会となりました。これからも主のみことばと相互の交わりを大切にしていきたいと思います。

「人々は大変親切にしてくれた」(使徒言行録28:2)という今回のテーマは、この日一日を通して私の心に語りかけられてくるテーマでした。
この日の午前中、私はミサの前に朗読奉仕者養成の学びに参加していたのですが、その中で読まれたのがイザヤの預言(イザヤ58:7-10)でした。
〔主は言われる。わたしの選ぶ断食とは〕「飢えた人にあなたのパンを裂き与え、さまよう貧しい人を家に招き入れ、裸の人に会えば衣を着せかけ、同胞に助けを惜しまないこと。そうすれば、あなたの光は曙のように射し出で、あなたの傷は速やかに癒される」
もてなしと歓待、すべての人に向けられている神の愛のあかし人となるよう招かれていると感じました。

使徒パウロが囚人として連行された船が難破しました。乗組員達は多種多様で相入れない人々の一団です。絶えず死の危険にさらされながらマルタ島に打ち上げられ島民のもてなしを受けるなかで彼らは次第に人間としての一致に気づかされます。「大変親切にしてくれた」(使徒言行録28:3)人々を通して示された神の愛。すべてを失い、ずぶ濡れで冷え切った体も焚き火で温められます。そして温かい食事によるもてなし。身も心もどれほど温まったことでしょう。温かくもてなしてくれた見ず知らずの人達。イザヤの預言のことばを実践していたのは彼らなのでした。果たしてキリスト者の私はどうなのか?問われている気がしました。私はそこに午前中に読まれたイザヤ書と今回のテーマとの一致、神の摂理と語りかけを感じました。

交流会礼拝で正面に置かれた船は一致に向けて共に歩むキリスト者の多難な旅を象徴しています。
共同祈願として8つのオールが掲げられました。すなわち、和解、導き、希望、信頼、力、歓待、回心、寛容さです。礼拝のなかで、心から願ったこの8つのオールを私たちが実際に漕ぐ時、船は前に進み出します。

ルカ神父様は説教の中で「宣教は交わりの中でなされていくもの」と述べられました。「湖に石を投げると水面に輪が広がっていくように、宣教もまた交わりを通して広がっていくのです」と。
これまでの姉妹教会交流会の歩みもまた互いの交わりによって育まれてきたのではないかと思います。みことばと相互の交わり、パンを裂くことをこれからも大切にしていきたいと思います。
みことばの実践と相互の交わりを通した福音宣教を目指して。

渉外担当 黒川智恵子